皆さんは熱中症患者の男女比において男性の比率が高いことはご存知ですか?
男性は特に青少年と中高年が熱中症になる割合が多く、中高年では労働環境が原因で熱中症になる患者が多いと言われています。
こう聞くと、「屋外の工事現場で働いているような人」が思い浮かぶかもしれませんが、取引先などへの外回りも労働環境に含まれるため、ビジネスマンなら誰でも熱中症になる危険性があると言えます。
そこで今回は熱中症に伴う危険性と熱中症・暑さ対策として有効な日傘のメリットをご紹介します。
1:「働き盛り」が一番危ない、熱中症の危険性
「たかが熱中症」そんな風に甘く見てはいけません。
軽度なものなら涼しい場所で休息を取り、適度な水分・塩分補給をすれば回復します。
しかし重度なものになると病院での治療・処置が必要になり、また処置が遅れると重症化することもあります。最悪の場合、脳機能に後遺障害が残ってしまったり、死に至る恐れもある恐ろしいものです。
熱中症になってしまった時の早期の適切な処置はもちろんですが、まずは熱中症にならないためにしっかりとした予防をすることが大切です。
1-1.社会問題になっている熱中症
近年、テレビや新聞でも熱中症の予防策や処置方法などが取り上げられているのは皆さんご存知だと思います。これは熱中症への理解が深まっているのではなく、熱中症患者や死亡者が増えてきたことで熱中症の危険性が認識されてきたという方が正しいと言われています。
平成9年~18年の熱中症による死亡者の年平均人数は281人なのに対して、平成19~28年の熱中症による死亡者の年平均人数は831人にものぼります。これは約2.9倍の数字です。
30~59歳の男性においての死亡者数は女性のおよそ6.9倍にものぼり、労働場面での死亡がほとんどを占めています。
この数字からも分かるように、ここ10年ほどで熱中症は大きな社会問題となっているのです。
1-2.熱中症になる条件や原因
熱中症は「環境」「身体」「行動」の3つの要因が組み合わさることにより発生します。「環境」は気温が高い、湿度が高い、日差しが強い等の天候的な要因。「身体」は高齢者や乳幼児、持病がある人、二日酔いや寝不足などの体調不良等の身体的な要因。「行動」は激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給をできない状況などです。
「今日はそんなに気温が上がらないから大丈夫だろう」と思っていても油断してはいけません。たとえ気温が25℃以下だとしても湿度が80%以上あれば汗が蒸発しにくくなり、熱中症になる危険性は高くなります。また、風の弱い時も同様に汗が体にまとわりついて蒸発しにくくなり、注意が必要です。
「今日は少し寝不足だ」という日は、普段より体力も落ちており体温調節機能も低下しています。そのような日は体が暑さに対応しきれずに熱中症になる危険性も高くなります。
「天気は快晴、今日は一日中外回りだ」という日も気をつけましょう。日陰がないような道路ではアスファルトなどからの照り返しにより地面近くの気温を上昇させるため、日中の暑い時間帯に長時間歩くことは危険です。
1-3.熱中症にならないための予防策
熱中症を予防するには、熱中症を引き起こす要因「環境」「身体」「行動」に対しての予防策が必要になってきます。
気温の高い日に外出しなければいけない時はなるべく日陰を歩いたり、疲れたら適度な休息をとるように意識しましょう。自分の周りに日陰を作ってくれる日傘は熱中症対策のほかに暑さ対策としても有効です。また、屋内にいる場合は我慢せずにエアコンを利用しましょう。
熱中症の発生にはその日の体調が大きく影響します。睡眠時間が足りていないと体力はどんどん低下していき、また体温調節機能も低下していきます。食欲がないからといってあっさりしたものばかり食べていては必要な栄養素が不足し疲れやすい身体になります。「睡眠はしっかりとる」「バランスのいい食事を摂る」ことを普段から意識しましょう。
簡単にできる有効な手段としては「水分・塩分補給を意識的に行うこと」です。屋外・屋内関係なく、こまめに水分補給は行いましょう。汗をかいた場合は塩分も失われているため、スポーツドリンクや経口補水液、塩飴などで塩分補給も心がけましょう。
2:日傘を使うべき理由
直射日光に当たることは熱中症になる大きな原因のひとつです。日陰のない道路などでは、アスファルトの照り返しによって気温はさらに高くなります。それによって汗をかく量も増え、体内の水分・塩分が不足し、熱中症になりやすくなります。
そのため、日陰を作り出す日傘は直射日光を避けることにより、熱中症対策・暑さ対策にも有効です。
2-1.日傘は恥ずかしい?
女性の持ち物というイメージが強い日傘。日傘を差すのに抵抗が「ある」と回答した男性は43.6%。それに対して抵抗が「ない」と回答したのは56.4%でした。
ハフィントンポスト 男性の日傘、87%が「気にしない」すでにジェンダーレスなアイテムだった(調査結果)
抵抗がないと答えた男性の方がわずかに上回っていますが、同じ質問を女性にしたところ、日傘を差すのに抵抗が「ある」女性はわずかに5.3%でした。こうして比べてみると、男性にとって「日傘を差す」ことはまだまだ一般的でないようです。
しかし、「日傘を差している男性についてどう思うか」という質問に対して87.2%の人が「気にしない」と回答しています。ここからも分かるように、意外と日傘を差す男性に世の中は好意的です。
2017年に埼玉県庁温暖化対策課の男性職員を中心に「日傘男子広め隊」が発足されました。通勤時や出張時に率先して日傘を差す取り組みを行っています。この活動がテレビで取り上げられたこともあり、じわじわと「日傘男子」は増えてきています。
2-2.日傘が役立つ理由
直射日光に当たると汗をたくさんかくことになり、体内の水分が不足することで熱中症になる危険性が高くなります。そのため、熱中症予防には「直射日光を避ける」ことが重要です。
「それなら帽子でもいいじゃないか」という意見もありそうですが、帽子で守られるのは頭と顔だけです。体には直射日光が当たるため、帽子だけでは熱中症になる危険性は若干下がる程度です。
日傘は自分の周りに日陰を作るためまさに直射日光を避けるのに最適です。さらに、日傘を差すだけで体感温度を最大10℃近く下げると言われています。
日傘を使用することは熱中症や暑さから身を守る有効な手段になります。
2-3.ビジネスマンが選ぶべき日傘
日傘が欲しい、しかし色々種類があって何を選んだらいいのかわからない。そんなビジネスマンのためにビジネスマンが選ぶべき日傘のポイントを2点ご紹介します。
・折りたたみ式
・晴雨兼用タイプ
長傘の場合、取引先などに出かけた時に置き場所に困ったり、また電車内に置き忘れてしまうということもあるかもしれません。しかし、コンパクトになる折りたたみ式ならビジネスバッグにもすっぽり収まります。
日傘には晴れの日でも雨の日でも使える晴雨兼用タイプ、日傘専用タイプの2種類がありますが、晴雨兼用タイプなら突然雨が降ってきたという時でも安心です。
最近では男性用日傘としてダークカラーで無地のものも多数販売されてます。ネットショップや百貨店などで一度見てみてはいかがですか。
夏になると、日傘を差している女性は街中で多く見かけますが日傘を差している男性はほとんど見かけません。しかし、女性よりも熱中症になりやすい男性には熱中症対策として日傘はとても有効なアイテムです。最初は日傘を差すことに抵抗があるかもしれませんが、差してみればその快適さに満足するはずです。
あなたも「日傘男子」始めてみませんか?
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