ビジネスマンの仕事着といえば、ワイシャツ。
何気なくネットや実店舗で購入しているワイシャツってどういう風につくられているかご存知でしょうか?
ワイシャツを購入する理由は皆さんそれぞれだとおもいます。
「安いから」「信頼できるブランドだから」「いつも購入する店舗だから」など。
お手頃なワイシャツは中国やミャンマーなど、アジアを中心に製造され、日本に輸入されることがほとんどです。
人件費などのコストが日本よりも低いため、皆さんに安く提供することができるわけですね。
ではさっそく、なかなか見ることができない中国のワイシャツ縫製工場をお見せしちゃいます!
上海の浦東国際空港から車で3時間半ほど向かったところに、ワイシャツ工場はありました。
高層ビルが立ち並ぶ上海とは、雰囲気がまるで違う田舎都市、紹興州。
こちらの工場では40~50代女性を中心に約100名ほどが在籍。
昔の工場のイメージで若い女性が多いのかと思っていましたが、中国でも高齢化が進んでいる様子。
まずは、紡績工場。
まず糸を紡ぐところから始まります。紡がれた糸が織り込まれて生地になり、
そしてワイシャツが作られます。
上の写真はたくさんの糸が板に並んでいる様子です。
この糸はすべて下の写真のように大きな機械(ロール)に巻き付けられます。
実は、1枚のワイシャツを縫製するのに、約7000糸が使用されます。
この大きな機械に巻き付かれた糸1ロールは、ワイシャツ2000枚ほどになるそう。
さらに、この1ロールを生地にするのに、約50日要します。
巻き付ける糸は1本でも交差したり、異変があれば全体の糸が使えなくなります。
そのため、1本の狂いもなく均一にロールに巻き付けるにあたり、
糸の管理や7000糸を通す作業は、人の手が必要不可欠なのです。。!
もちろん、機械が自動的に糸を巻き付けるわけですが、手作業も欠かせない。
ロールに巻き付かれた糸を、自動の紡績機で生地にします。
「ガシャンガシャン」と、
耳が痛くなるほど大きな音で、自分の声なんて全く通らない。
こちらの紡績機は自動ですが、糸を替えたり、細かな調整をしたりするのはやはり、人の手。
ここで何種類ものワイシャツの生地が完成します。
お次は、縫製工場。
できあがった生地は、裁断していきます。
ここで、まず驚いたのが、裁断も人がやるの?!ってことです。
工場ってもはや全自動化していると思っていた私は衝撃的でした。
その後、ワイシャツの袖や襟、ポケットなど必要なサイズにハサミで裁断されます。
工員さんは、それぞれの場所での作業をおこなう専門家。
つまり、ボタンを付けるだけの工員さん、襟元の生地を裁断するだけの工員さんなど、
1人1人がその縫製部分のみをおこないます。
裁断された部位をミシンで縫い付ける様子。
行員さんたちは、一日中このようにワイシャツを縫製していきます。
ちなみに工員さんは、パートタイムで勤務時間が決められているそうですが、
もっとお給料が欲しい人は残業して帰るそう。
縫製後のワイシャツに異常がないか検品後、ワイシャツの襟元をプレスして、形付けます。
お次はアイロンがけとたたみを行います。
約40人ほどの工員さんが、アイロンがけをしていました。
完璧な状態で店頭に並べるために、スピーディかつ綺麗なアイロンがけが重要です。
それにしても、工員さんたちの作業スピードが早すぎる・・!
ほつれ等がないか再度検品。検品は全部で6~7回おこなうそうです。
その後、ラベルをつけ、パッキングします。
「え、これも人がやるの?」と驚きっぱなし。
最後は梱包。段ボールに決められた数を梱包して完成!
日本に輸送された後、倉庫に収められたり、実店舗に並んだりします。
ワイシャツは人の手が欠かせない。
工場を視察する前は、製造過程がすべて自動化されているものだと思っていました。
しかし、ひとつひとつの工程は手作業で、1枚のワイシャツができあがっているんだ!
ということを知りました。
日本でも、海外でも、ワイシャツの製造に沢山の方が関わっている。
ネットでも、実店舗でも、人の手によって作られる「あたたかみ」のあるワイシャツなんです。
次にあなたがワイシャツを手に取るとき、あたたかみのあるワイシャツだと思い出していただければ幸いです。